香水や嗅覚にまつわる映画・ドラマ・小説・漫画をお探しですか?
香水や嗅覚にまつわる映画・ドラマ・小説・漫画ってちょっとマニアックで、なかなか見つけにくいですよね。
この記事では、香水や嗅覚にまつわる映画・ドラマ・小説・漫画を、香水のプロ・調香師ユタカが解説します。
1,000以上の商品開発に携わった元化粧品メーカーの調香師ユタカと一緒に素敵な映画・ドラマ・小説・漫画を見つけましょう!
調香師が選ぶ、香水や嗅覚にまつわる映画5選
香水や嗅覚にまつわる映画は、ヨーロッパの映画が多いです。
さすがに香りの文化が発達した地域といえるでしょう。
有名な香水も出てくるので、香水好きは要チェックです!
「パフューム」ある人殺しの物語
香水の映画といえばこれでしょう。
18世紀のパリを舞台にした映画です。
主人公の男性が「好きな女性の香り」を作るために、調香師に弟子入りして香水作りの技法を学びます。
さらに高みを目指すために、香りの都である南仏グラースに赴き、高度な香水製造法である冷浸法(アンフルラージュ)を極めました。
一方で若い女性が相次いで殺され、全裸で見つかるという怪事件が起こり、グラースの街を震撼させます。
主人公は磨き上げた香水作りの技法を駆使して、禁断の香り作りに着手していました・・・
というあらすじです。
「好きな人の香りを香水にしたい」という欲望に忠実な主人公がサイケな感じで、好みが分かれるかもしれない映画ですが、香りの製造に関する描写はかなりリアルなので、必見です。
パリの調香師 しあわせの香りを探して
嗅覚障害により第一線を退いた女性調香師と、彼女に運転手として雇われた男性とのヒューマンドラマです。
エルメスの専属調香師クリスティーヌ・ナジェル氏が制作協力しているだけあり、調香の所作が丁寧に再現されているなど、細かい調香師あるあるネタが盛り込まれています。
お仕事ドラマとしても楽しめる内容ですよ。
インサイド・ザ・ドリーム ディオール
ディオールの人気香水「ジャドール・ロー」が作られるまでに密着したドキュメンタリー映画です。
調香師フランシス・クルジャン氏がレジェンド香水「ジャドール」に立ち返ってインスピレーションを探求し、香りの方向性を検討していく様子は見応えがあります。
新旧のジャドール香水を嗅ぎ比べて味わいたくなる内容です。
Amazon Prime Videoで見られます。
セント・オブ・ウーマン/夢の香り
アル・パチーノ演ずる、人生を悲観しふて腐れた孤独な盲目の退役軍人(中佐)が、心優しい青年との数日間の交流を通じて自分の人生を見つめ直し、新たな希望を見出すまでを描いたヒューマンドラマです。
タイトルの直訳が「女性の香り」ということもあり、劇中に登場する女性が様々な香水を身にまとい、中佐を誘惑してくるのが印象的です。
FLORIS(フローリス)やキャロンのフルール・ドゥ・ロカーユ(Fleurs de Rocaille)、ゲランのミツコなど、様々な香水が登場するので、香りを想像しながら見るのも楽しいですね。
パーフェクト・センス
ある日突然、全世界の人々を原因不明の感染症が襲います。
それは、感染すると次第に五感を失っていく恐ろしい病だった・・・という内容のスリラー映画です。
五感のうち、嗅覚は普段意識することが少ないかもしれませんが、それが失われてしまう感覚を味わえる映画となっています。
シェフのマイケルが、五感を失った人々に会食の楽しみを伝えるためにあれこれ工夫する様は、調香師の仕事に通ずるものがあり、参考になりました。
ローズメイカー 奇跡のバラ
バラは、香水作りに欠かせない素材の一つです。
そんなバラを育てるバラ園は、香水メーカーにとって大切な取引先です。
この映画は、フランスの郊外で、潰れかかったバラ園を立て直そうとする経営者の女性と、そこで働くことになるクセのある3人の物語です。
バラの香りについての描写がちりばめられており、”テスト”が特に面白いと感じました。
色も形も様々なバラが咲き誇る映像がとても美しく、バラ園に行って香りを楽しみたくなる映画です。
調香師が選ぶ、香水や嗅覚にまつわるドラマ3選
香水や嗅覚にまつわるドラマには、日本の作品も登場します。
外国のドラマは愛憎劇やシリアスなものが多いですが、日本のドラマはコミカルに仕上がっているのが対照的で面白いですね。
パルファム -香りに魅入られた悪魔-
Netflixのオリジナルドラマです。
映画の「パフューム ある人殺しの物語」と似ていますが、こちらは現代が舞台で、女性が主人公のドラマです。
女性の脇、局部、頭髪が切り取られるという猟奇的な殺人事件が発生。
その3つの部位に共通するのは、においの原点であるという事です。
物語が進むにつれ、「人間から香水を作り上げる」という猟奇的な計画が浮き彫りになる・・・というストーリーです。
各話のタイトルも「竜涎香」「スカトール」「合成」「ミドルノート」など、香水好きにはたまらないネーミングになっているので、要チェックです!
スニッファー 嗅覚捜査官
ウクライナで製作され世界的にヒットしたドラマ「The Sniffer」を、NHKが日本語にリメイクしたドラマです。
阿部寛&香川照之の凸凹コンビがコミカルに、嗅覚を使って難事件を解決していきます。
香りに詳しくない人向けに、嗅覚の基礎知識をちょいちょい説明してくれるので、かなり見やすいドラマに仕上がっています。
阿部寛が鼻栓を外して匂いを嗅ぐシーンが面白すぎます。
デカワンコ
多部未華子主演で話題になったテレビドラマです。
主人公は警察犬並みに嗅覚の鋭い女性で、警視庁の捜査一課に配属されている警察官です。
ゴスロリファッションに身を包んだ個性的なビジュアルですが、嗅覚を駆使して難事件を解決していきます。
人間の主人公と警察犬が協力したり、ライバル視したりしている様は微笑ましいですね。
香水好きだけでなく、刑事モノ好きや犬好きにはたまらないドラマです!
調香師が選ぶ、香水や嗅覚にまつわる小説5選
文章だけで、嗅覚に関する描写を巧みに表現している小説を選んでみました。
文章から香りを想像しながら読むと、より一層楽しめるでしょう。
香りや香水について専門的に学ぶための本は別記事で紹介しているので、興味のある方はそちらもどうぞ!
香水 ある人殺しの物語
あまりにも有名になった映画「パフューム ある人殺しの物語」の原作小説です。
基本的な物語は同じですが、微妙に映画と違う部分もあるので、違いを探しながら読むとさらに楽しめるでしょう。
ボーダー 二つの世界
人並外れた嗅覚を持ちながらも醜い容貌のせいで孤独を強いられるティーナが、ある男との出会いにより、人生を変えるような事件に巻き込まれていくミステリー作品です。
劇中では、鋭い嗅覚を活かした主人公が、税関職員として活躍する場面があります。
カバンの中を開けていないのにお酒が入っているのを発見したり、携帯の中に入っているSDカードが怪しいのを見破ったりしています。
嗅覚の鋭い犬が税関で働いているのを見かけますが、そんな感じです。
主人公の嗅覚がなぜ鋭いのかが、物語が進むにつれ明らかになりますので、あなた自身で確認してみてください。
私が好きなあなたの匂い
シャネル、ゲラン、クリード、トム・フォード、クロエなど、実在の香水から喚起された36の情景を描くショートストーリー集。
美容業界紙WWDで連載されていたショートストーリーを短編集にまとめたものです。
実際の香水を嗅ぎながら読むと、ストーリーに没入できること間違いなしです!
オルファクトグラム
事件に巻き込まれ、脳にダメージを負った結果類まれな嗅覚を手に入れ、においを見ることができるようになった男性が主人公の小説です。
特殊な感覚を宿した主人公の描写が丁寧で、嗅覚に詳しくなくてもするすると読めます。
なにより、「においが見えるようになる」という設定が斬新で、ぐいぐい引き込まれる世界観でした。
アノスミア わたしが嗅覚を失ってからとり戻すまでの物語
においを感じない、何のにおいかわからない──嗅覚にこうした障害をもつ「アノスミア(嗅覚脱失)」は100人に1、2人といわれています。
シェフ志望だった著者は、事故でアノスミアに。
見えない障害と向き合いながら、神経科学者や香料開発者への取材を重ね、未解明な「におい」の面白さを当事者の立場から描いた作品です。
私は国家資格である「臭気判定士」を取得する際にアノスミアではないことを証明するために「嗅覚検査」を受けているので、とても身近な題材に感じました。
「においが感じられないとどうなるのか」という、とても興味深い世界を描いています。
調香師が選ぶ、香水や嗅覚にまつわる漫画(マンガ)5選
香りに関する物語は小説だけでなく、漫画でも人気です。
純粋に香水や嗅覚にまつわる漫画は少ないですが、グルメ漫画は味覚と嗅覚を同時に刺激してくるので、読み応え抜群ですよ。
超嗅覚探偵NEZ
嗅覚が鋭い主人公が、その能力を活かして探偵となり、事件を解決していく漫画です。
NEZはフランス語で「鼻」を意味しています。
フランスでは、調香師のことをNEZと呼ぶこともあり、香料業界らしいタイトルと言えるでしょう。
漫画らしくコミカルなタッチのストーリーが多く、「(優れた視力や聴力は超能力っぽく描写されるのに)なぜ!人の何百倍も優れた嗅覚は犬並みとたとえられ一段下がるんだ!?」という主人公の嘆きに、ユタカも共感しました。
超香少年サトル
香りを自在に操る少年が、様々なトラブルを調香ならぬ「超香」で解決する漫画です。
ユタカは調香師の先輩からこの漫画を教えてもらいました。
香料や嗅覚に関するネタがちりばめられており、楽しみながら香りに詳しくなれる内容です。
主人公のサトル少年はクールでニヒルな印象ですが、読み進むにつれておちゃめで人情に厚いところが出てくるのも味があって良いですね。
漫画配信サイト「スキマ」でも読めますよ。
あせとせっけん
化粧品メーカーの商品開発部に所属するプランナーが、香りにこだわったせっけんを作るお話です。
私が化粧品メーカーで研究員として商品開発に携わっていたこともあり、職場の話がリアルに描かれている、と思いました。
香りにこだわりのある人は、そうでない人から見るとなかなか理解されず、苦しむことも多いと思いますが、「あせとせっけん」を読むと元気が湧き出てくる気がします。
神の雫
言わずと知れた、ワインのグルメ漫画です。
調香師として化粧品メーカーに勤務する傍ら、趣味でワインソムリエの資格も取得した私としては外せない漫画です。
食品や飲料の味の表現を集めた「フレーバーホイール」という用語集があるのですが、ワインだけは「アロマホイール」と呼ばれていて特別視されています。
それは、ワインの表現だけが「半分は味について、半分が香りについて」を表しているからなのです。
実際に私も化粧品の香りの表現を鍛える上で、ワインの味や香りの表現を参考にすることもありました。
そんな時に、「神の雫」という漫画は最高の教科書になるのです。
お酒が好きでもそうでなくても、香りが好きであれば一読の価値がある漫画といえます。
孤独のグルメ
「神の雫」とは対照的に、大衆的な料理の描写を得意とするグルメ漫画が「孤独のグルメ」です。
外回りの営業マンである主人公が、営業先の土地で料理屋を訪れご飯を食べる、というだけの漫画です。
しかし、その料理の描写が非常にリアル。
味やにおいだけでなく、温度まで読者に伝わってくるかのよう。
香りに携わる仕事をする上では、「孤独のグルメ」のような臨場感あふれる表現を心がけたいものです。
香水や嗅覚にまつわる映画・ドラマ・小説・漫画一覧
香水や嗅覚にまつわる映画・ドラマ・小説・漫画をご紹介しました。
ここでは挙がっていない、香水や嗅覚にまつわる映画・ドラマ・小説・漫画を知っている場合は、是非コメントで教えてください!
香水や嗅覚にまつわる作品を楽しんだら、そこに登場する香水にも興味が湧いてくるはず。
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