人類はいつから香水を楽しむようになったのでしょうか?
歴史の重みを感じながら香水を楽しむのも、ロマンがあって素敵ですよね。
この記事では、香水のプロ・調香師ユタカが、香水が生み出された中世の香りの歴史を解説します。
1,000以上の商品開発に携わった元化粧品メーカーの調香師ユタカと一緒に香りの歴史を学びましょう!
奥深い香り文化の歴史については、下記の記事もご覧ください!
香りの歴史~ヨーロッパとアラブ~
4世紀ごろのローマ帝国では、キリスト教の勢力が拡大していました。
キリスト教では偶像崇拝が禁止されており、香りを嗅ぐ行為も厳しく制限されました。
ローマ帝国が崩壊した後には、香りを焚く香炉も姿を消してしまいました。
一方で中東やアフリカ北部ではイスラム教が主流で、香りを楽しむことを奨励されていました。
これらの地域は、香料を取るための植物の産地として有名な地域でした。
イスラム教が香りを取り込むことに積極的だったため、イスラム教が布教された地域には香りの文化が芽生えました。
基本的な香料の抽出法である水蒸気蒸留法は、アラブで10世紀ごろに発明されました。
この方法で作られたローズウォーターはとても人気で、体を洗ったり料理に使うなど、生活に密着した香りになりました。
香りの歴史~十字軍~
香りを禁じたヨーロッパと香りを楽しむアラブの、2つの文化が交わる時が来ました。
かの有名な十字軍の侵攻です。
十字軍とは、ローマ帝国がイスラム教国家に支配された聖地エルサレムを奪還するために起こした戦争です。
多くの死傷者を出した痛ましい歴史ですが、十字軍の兵士たちはアラブから様々なものをヨーロッパに持ち帰ることとなります。
中東からは様々なスパイス、アンバー、アルコールの蒸留技術を。
アフリカやインドからはバニラ、ココア、タバコなどの素材を。
断絶していた香り文化が十字軍という戦争の歴史によって再び交わったのは、皮肉としか言いようがありませんね。
香りの歴史~大航海時代~
スペインやポルトガルの商人たちが船で世界中を駆け巡った大航海時代。
彼らの目的は世界各地のスパイスでした。
ハーブしか育たないヨーロッパの人々にとって、世界各地から集められたスパイスはとても魅力的なものでした。
特にペッパーは貴重なものとされ、金と同じ重さで取引されるほどでした。
スパイスの産地を巡り、ヨーロッパ各国は領土争いの戦争に明け暮れることになります。
戦争が香りの交流をよび、香りがさらに戦争を起こすことになるわけです。
香りの歴史~調香師(perfumer)の誕生~
化粧品メーカーで調香師として働いたユタカですが、そのお仕事の歴史にも触れましょう。
17世紀ごろから、香料従事者はPerfumerとして権威を与えられ、ヨーロッパ各国の宮廷に仕えるようになります。
宮廷専属のお抱え調香師となった者は、王様の好みに合わせた香りを作って生計を立てました。
当時は革の手袋の匂いを消すために、かなり強い香りを使っていたそうです。
また、調香師には主にイタリア人が任命されていたようです。
彼らの末裔が営む香料や香水メーカーは今でも存続しており、歴史の長さを感じさせられます。
香りの歴史~中世編~まとめ
ヨーロッパとアラブで断絶するものの、のちに交流を重ねながら、現代に通ずる香りの文化は育まれてきました。
戦争がそのきっかけになった、というのがなんとも皮肉ですが・・・
歴史の流れやロマンに思いを馳せながら香りを楽しむのも良いですね!
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