香り・香水を独学で勉強するための本や資格をお探しですか?
マニアックな分野なので、情報が少なくて探しにくいですよね。
この記事では、「香りや香水を勉強したい」「詳しくなりたい」というあなたにおすすめの本と資格を、香水のプロ・調香師ユタカが解説します。
1,000以上の商品開発に携わった元化粧品メーカーの調香師ユタカと一緒に、楽しく香りを勉強できる本や資格を見つけましょう!
【入門編】香り・香水・調香師について独学で勉強するのにおすすめの本6選
初心者におすすめなのは、香水や香り、調香師の仕事の基礎をカバーした読みやすい本です。
そのため、教科書っぽいものだけでなく読み物風の本も紹介しています。
香りをテーマにした映画や小説、漫画も別記事でご紹介しているので、興味がある方はご覧ください。
新しい香水の教科書
香水や香りの歴史、素材、楽しみ方など、基礎的な知識を網羅した本です。
カバーしている範囲は広いですが、写真や図を効果的に使って読みやすくまとめてあるのでどんどん読み進められます。
香りや香水を勉強したいと思ったあなたに、最初の一冊としておすすめします。
アロマテラピー検定公式テキスト 1級・2級
AEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会)が主催するアロマテラピー検定の公式テキストです。
テキストは検定を受ける予定がなくても入手可能なのでご安心ください。
写真やイラストが多く、基礎的な知識を少ない文章でわかりやすく解説してくれます。
一般的に手に入れやすい精油に絞って解説されているので、すぐに実践できるのもGOODですね。
実際に香りを試しながら学びたいあなたには、精油が付いたバージョンがおすすめです。
アロマテラピー検定の試験に出てくる精油が少量ずつセットになっており、自分で買い集める手間が省けます。
テキストの情報と合わせて香りを嗅ぐことで、記憶しやすくなり理解が深まりますよ。
ユタカもこちらのバージョンで勉強しました!
香料の科学
日本の大手香料会社である、長谷川香料が出版した香りの教科書です。
アロマテラピー検定のテキストよりも分量が多く、丁寧に説明されている印象です。
全部をしっかり理解するには大学で化学を専攻するレベルの知識が必要ですが、背伸びをすれば高校生でも理解できる内容です。
入門編の中ではかなり本格的な教科書といえます。
調香師の手帖 香りの世界をさぐる
日本における伝説の調香師、中村祥二氏の著書です。
香りの世界について、幅広く丁寧に解説されています。
著者は、老舗の資生堂で長らく調香師を務めた方だけあって、言葉に重みがあります。
ユタカの体感では、香りという分野に興味を持ったきっかけが『調香師の手帖』だった、という業界人が多かったように思います。
調香師の実務や実体験に基づいた話を読んでみたいあなたにおすすめの本です。
香りの創造
伝説の調香師、エドモン・ルドニツカ氏の著書です。
ルドニツカ氏は、ディオールのオーソバージュやディオリッシモなど、当時ニューケミカルと呼ばれていた合成香料を巧みに使って新しい香りを創造し続けた、レジェンド調香師の一人です。
文章はやや硬い文語調ですが、香り業界の最前線で活躍し続けた人物だけあり、とても魅力的な表現が多く、惹き込まれること間違いなしです。
香水瓶の図鑑 フォトグラフィー
香水にとって、香りと同じくらい重要なのが「香水瓶」です。
この本には、19〜20世紀の煌びやかで個性的な香水瓶がまとめられています。
多数の写真が掲載されており、パラパラ眺めるだけでテンションが上がります!
写真や香水瓶の情報だけでなく、香り・香水の歴史についても書かれているので、勉強のきっかけとしておすすめできる本です。
【中級者編】香り・香水・調香師について独学で勉強するのにおすすめの本4選
調香師・香り・香水に興味を持った初心者以上の人におすすめしたい本をまとめました。
「調香師の仕事=香り・香水を作る」という部分にフォーカスを当てた書籍をご紹介していきます。
AEAJ認定 アロマブレンドデザイナー公式テキスト
AEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会)が主催するアロマブレンドデザイナー資格の公式テキストです。
テキストは検定を受ける予定がなくても入手可能なのでご安心ください。
「香りを作る作業」という、調香師の仕事の基礎的な部分をカバーしているので、香り初心者を抜け出したあなたにおすすめです。
一番手っ取り早く香りを作るには、「精油をブレンドする」のが良いでしょう。
ただし、精油だけではどうしても作れない香りが多いので、そこまで極めたいというあなたは以下の3冊のうちどれかで勉強することを強くおすすめします。
香料と調香の基礎知識
花王の香料研究所長を務められた中島基貴氏の著書です。
ちなみに、ユタカも新人時代にこの本で勉強しました。
私が花王の社員だったというわけではなく、できのいい教科書だから使っていた、という感じです。
嗅覚の基礎知識や、香料を扱う上で必須の化学・物理・生物・心理学など、各分野の基礎知識を幅広く勉強できます。
大学で上記いずれかの分野を専攻していないと、独学で理解するのは難しいかも・・・と思います。
ですが、「香りを作る」上では必須の知識が盛りだくさんですので、おすすめの勉強本です。
香料入門
サンスターや高砂香料で要職を務められた、吉儀英記氏の著書です。
「香料と調香の基礎知識」と同様の構成ですが、さすが香料メーカーの著作らしく、フレーバーの解説の割合が多いのが特徴です。
日本では、フレグランス(化粧品用香料)よりも、フレーバー(食品用香料)の方が売上が多いので、当たり前かもしれませんね。
「お花の香りよりも、果物の香りを勉強したい!」というあなたにはぴったりの本です。
香り創りをデザインする―調香の基礎からフレグランスの応用まで
小川香料で研究室長を務められた、堀内哲嗣郎氏の著書です。
前述の2冊とほぼ同様の構成ですが、第1章の「調香師(パフューマー)」の内容が特徴的です。
調香師の歴史と今、心構えについてまでが詳しく解説されています。
「趣味ではなく、仕事として香料業界に携わるために勉強したい」というあなたにおすすめの本です。
【上級者編】香り・香水・調香師について独学で勉強するのにおすすめの本9選
中級者編の本で満足できなくなったあなたはもはや業界人レベル!?ということで、企業で調香師として勤務していた時にユタカが使っていた本を中心にご紹介します。
ここでは、勉強するための読み物や教科書というよりは、「困った時、調べ物をする時に辞書的に使える」本を集めてみました。
後半では「調香師がアイデアに詰まった時に眺める本」もご紹介するのでお楽しみに!
香りの百科
香料がとれる植物についてひたすら解説している辞書です。
精油をとる部位、産地、収穫時期、精油の成分、利用方法など細かく解説されています。
論文も多数引用されているので、とても勉強になり、仕事で使える本です。
合成香料 化学と商品知識 増補新版
合成香料を極めるためには必須のカタログです。
書籍というよりは辞書やカタログと呼ぶのが正しい分厚さです。
工業的に利用される合成香料のスペックが解説されています。
分子量、融点沸点、供給メーカー、原料、合成方法、利用方法、関連法規など幅広くカバーされています。
この本も勉強というよりは調べ物をする時に役に立ちます。
香りの事典―仏英和
香料業界でよく使われる用語だけの、英仏和辞典です。
香料産業はフランスで発達したこともあり、パンプルムス(グレープフルーツ)、カシス、ミュゲ(すずらん)、プチグレンなど、フランス語の単語が定着していることも多いです。
そんな時に、仏英和の辞書が大活躍しました。
香料業界特有の表現方法(メタリックな香り、など)もぎっしり書いてあるので、表現方法を勉強する目的でも使えるかもしれませんね。
においと香りの表現辞典
調香師は香料を混ぜて作るのがメインと思われがちですが、作るのと同じくらい「作った香りを伝える」ことも大事なお仕事です。
そのため、香り・香水に関する表現を鍛えるのも調香師にとって欠かせない勉強です。
この辞典は香水・香りに関する表現を感覚(嗅覚の質や内容、強弱など)、感性(感情や嗜好、イメージを表す)、香料(成分に関係)、特性(具体的な物に拠る)などのカテゴリに分けて、詳しく解説しています。
著者の神宮教授は香りの表現に関して日本における第一人者ですので、信頼性もばっちりです。
調香師を目指すあなたにおすすめの1冊です。
名香にみる処方の研究
香り作りを極める上では必須の書籍です。
歴史上、「名香」と呼ばれる香水はたくさんありますが、その処方(レシピ)は門外不出です。
しかしこの本では、著者が独自に研究して作成した、「ほぼ本物と同じ処方」が155も紹介されているのです!
合成香料を大量に使うので一般の家庭で再現するのは難しいですが、業界人にとってはありがたい情報が満載です。
精油の安全性ガイド 第2版
400種類以上の精油のプロフィールが掲載されています。
成分や効能、安全性のガイドラインまで、きちんと解説されています。
独学で勉強するのにはもちろん、業界人が調べ物をするのにも最適な1冊です。
調香師ではなく、アロマテラピー関係のお仕事に就きたいあなたにもおすすめです!
マリー・アントワネットの植物誌
香りや香水を勉強する人にとって、フランス王妃マリー・アントワネットは避けて通れない人物でしょう。
彼女はバラをこよなく愛し、プチトリアノン宮にはさまざまな香り植物が栽培されていたと言われています。
この本では、マリー・アントワネットにゆかりのある80の草花と樹木の特性と効能が、ボタニカルアートと共に掲載されています。
ただ香料植物の勉強をするだけでなく、格式高い歴史の雰囲気を感じられるおすすめの1冊です。
調香師が語る香料植物の図鑑
調香師ユタカが香料を作るアイデアに詰まった時に眺めていた本です。
「香りの百科」と同様、香り植物の図鑑になっているのですが、カラフルな写真がたくさん掲載されていて、パラパラ眺めるだけでも楽しめます。
気になった写真のところで手を止めてじっくり読み、そこからアイデアが広がったことも多々あります。
フォトグラフィー レア パフューム: 21世紀の香水
調香師ユタカが香料を作るアイデアに詰まった時に眺めていた本その2です。
香水はその香りだけでなく、香水瓶や広告のデザインも魅力的なものが多いですよね。
この本は、香水の香り以外の魅力について、カラフルな写真やイラストで解説してくれます。
パラパラと眺めて、気になる香水からじっくり読んでみるのもいいかもしれませんね。
【番外編】香り・香水・調香師について独学で勉強するのにおすすめの本5選
調香師や香り、香水の勉強をするのに直接役立つわけではないけど、参考になる面白い本を紹介します。
調香師は化粧品用香料(フレグランス)を作る仕事ですが、食品用香料(フレーバー)を作るフレーバリストという仕事もあります。
ここでは、フレーバリストの仕事に役立つ本をまとめました。
化粧品用香料(フレグランス)の世界でもフルーツやスイーツを活用する機会は多いので、勉強するに越したことはありませんね。
死ぬ前に味わいたい1001食品
調香師ユタカが香料を作るアイデアに詰まった時に眺めていた本です。
この本を読んでいるときは相当ネタ切れしている時が多かったです(笑)
直接香水とは関係ありませんが、世界各地の料理(肉・魚・野菜・お菓子・飲料など)がカラフルな写真とともに紹介されています。
珍しいハーブやスパイスのアイデアをもらえますし、ただ眺めるだけでも旅行した気分になって楽しめる貴重な本です。
食べ物 香り百科事典
食品用香料(フレーバー)を作るフレーバリストが辞書がわりに使う本です。
とはいえ、化粧品用の香りを作る調香師にも役立つ内容が満載です。
たとえば、果物や野菜、飲料、アルコールなどは香水作りにも活用できるので、時々調べ物に使っていました。
畜肉、魚介類などは、個人的に料理の幅を広げたい時に見てました(笑)
香りで料理を科学する フードペアリング大全
食材とワインの組み合わせを提案することをフードペアリングと呼びます。
この本では、香りの視点から、さまざまなフードペアリングを提案しています。
調香師にとって、香水作りはいかに良いハーモニーを生むかが大事です。
そのため、素材のペアリングのアイデアは調香の幅を広げるのにとても勉強になります。
スパイスの科学大図鑑
調香師の世界では、スパイスはメインで使われる素材というよりは、フローラルやウッディー系の香りを引き立たせる脇役的な使い方が多いです。
そのため、スパイスの知識は後回し…という勉強法の調香師も多いです。
しかし、スパイスの組み合わせを知っている方が調香の幅が広がることは間違いありません。
また、香水業界ではあまり使わない、レアなスパイスについての情報も載っているので、他の調香師と差別化するためにも勉強したほうがいい本です。
ワインの香り
コーヒーや紅茶、酒類など、一般的な飲料は味のみで評価され、フレーバーホイールという形で体系化されています。
それに対し、ワインは味と香りで評価し、フレーバーホイール+アロマホイールという2種の軸でまとめられます。
そのため、ワインの香り表現は香水に通じるものがあり、ワインを嗜むのは調香師にとってメジャーな勉強法のひとつです。
ソムリエはお客様に言葉で香りや味を伝えるプロですから、調香師ユタカもワインの勉強をして、香りの表現の幅を広げました。
特に本書は科学的な観点からワインと香りについて解説されているので、実務に活かせる知識が多く学べる1冊です。
香り・香水・調香師について独学で勉強するのにおすすめの資格
「調香師になりたいけど、独学で勉強できるの?」「調香師になるのに役立つ資格や検定はあるの?」という疑問をお持ちのあなた!
日本では調香師になるための国家資格や免許などはありませんが、民間の資格や検定を通じて調香師の仕事に役立つ知識を学ぶことができます。
ここでは1000以上の商品開発に携わった元化粧品メーカーの調香師ユタカが、香り関係の資格と検定を調香師目線で紹介します。
アロマテラピー検定
アロマテラピー検定は、(公社)日本アロマ環境協会が主催する資格です。
1級と2級があり、日本で最もメジャーなアロマの資格試験の一つです。
調香師ユタカもアロマテラピー検定1級・2級を取得しています。
テキストは簡潔にまとめられており、独学で勉強して資格取得することも可能です。
しかし、初めて香りや調香師に興味を持ったあなたや、どこから勉強していいかわからないあなたは「独学でアロマテラピー検定に合格できるの?」と不安を抱えているかもしれませんね。
そんなあなたにおすすめなのが、ユーキャンの「アロマテラピー検定1・2級対策講座」です。
ユーキャンでは公式の教科書以外にも副教材のDVDがあり、独学よりも効率的に勉強が可能なのが特徴です。
アロマを自宅で楽しみながら、初めてでも3ヵ月でアロマテラピー検定1・2級の検定合格力を無理なく身につけられるカリキュラムなので、チャレンジしやすいですよ。
メディカルアロマ検定
メディカルアロマ検定は、内閣府から認証を受けた日本統合医学協会が実施する資格認定試験です。
アロマの中でも、西洋医学を補完する力を持った精油にフォーカスした資格講座です。
調香師は精油を使い分けるセンスが必要なので、調香師の勉強を独学で始めるのに最適な資格です。
オンライン講座のため、いつでもどこでも、自分の生活スタイルに合わせた学習が可能です。
メディカルアロマ検定について、詳しくは↓
メディカルアロマインストラクター
メディカルアロマインストラクターは、内閣府から認証を受けた日本統合医学協会が実施する資格認定試験で、メディカルアロマ検定の上位資格です。
メディカルアロマ検定の内容に加え、基礎医学・心理学・化学など、より深く精油のメカニズムを理解できる資格講座です。
心と体に精油がどのように働きかけるのか、勉強したい人に最適の資格と言えるでしょう。
オンライン講座のため、いつでもどこでも、自分の生活スタイルに合わせた学習が可能です。
調香師の中でも、天然精油の調香に力を入れて勉強したい!というあなたにおすすめです。
メディカルアロマインストラクターについて、詳しくは↓
香り・香水を勉強するのにおすすめの本と資格一覧
香り・香水を勉強するための本を、調香師がピックアップしてご紹介しました。
香りを勉強するための資格を、3つご紹介しました。
香りや香水は本で勉強するのも大事ですが、実践が欠かせません。
知識をつけるのと並行して、実際に香りを嗅いだり、香水を使ってみましょう!
「香水の探し方を知りたい!」という熱心なあなたには、下記の記事もおすすめです。
モテ香水を探しているなら↓
プレゼントの香水を探しているなら↓
好きな香りで選ぶなら↓
年齢別に似合う香りを選ぶなら↓
好きな芸能人の愛用香水から選ぶなら↓